1)排便反射について
便は通常下行結腸からS状結腸に存在します。
便が直腸内に入り、直腸の内圧が30~50mmHgくらいになると、直腸に分布している骨盤神経の興奮が大脳に伝わり便意が起きます。
便意が起きると直腸の蠕動・内肛門括約筋の弛緩が起こり、排便されます。
2)便秘の原因
機能的便秘-大腸の蠕動運動の異常によるもので、器質的疾患はないものです。
a.弛緩性便秘-大腸の蠕動運動の低下によるものです。
b.痙攣性便秘-大腸の蠕動運動の亢進によるものです。
c.直腸性便秘-排便反射が減弱して起こるものです。習慣的に便意を抑制しているため正常の内圧(30~50mmHg)でも便意が起こらなかったり、直腸が拡張して内圧が低下して便秘になります。
器質的便秘-腫瘍や腸閉塞などにより腸管が狭窄して起こるものです。
便秘は脾虚(胃腸が弱い)の方や自律神経失調傾向のある方に多く見られます。
3)便秘の治療
機能的便秘が治療の対象となります。
腸管の反射領域(腹部・腰部)への鍼灸を行ない、大腸の蠕動運動の正常化や排便反射を促進したりします。